無料で勉強する方法として
- 職業訓練校
- 無料のITスクール
があります。
職業訓練校はハローワークが窓口となり、国のお金で運用されているスクール。一方で無料のITスクールは民間の企業が開講してくれているスクールで今ではたくさんの企業が行なっています。
それぞれの概要については、以下で紹介していますので、サラッと読んでから本記事を読むとより納得できるかもしれません。
どちらもプログラミングの基礎を学べるという点においては同じです。複数の選択肢があればどちらを選べばいいか迷うところです。
そこで、職業訓練校と無料のITスクールを比較してどちらに向いているか、選んでいきましょう。
※ 以降、無料のITスクールが長いので民間スクールと呼びます。
- お金で選ぶのであれば、職業訓練校
- 卒業後の企業の質で選ぶのであれば、民間スクール
が良いのかなと思います。
職業訓練校と民間スクールをざっくり比較!
職業訓練 | 民間スクール | |
---|---|---|
受講料 | テキスト代(1万円前後) | 無料 |
交通費 | 支給 | なし |
生活費 | 月額10万円 | なし |
期間 | 3ヶ月~1年 | 1ヶ月~3ヶ月 |
卒業後 | ハローワークでの支援 | 人材紹介での支援 or 運営会社へ就職 |
圧倒的に差のある部分だけ強調しています。
無料の民間スクールでは受講料は完全無料ですが、職業訓練では基本的にテキスト代はこちらが支払います。額にすると1万円前後が相場ですね。
職業訓練ならではの支援としては、生活費や交通費(通所手当を呼ばれている)の支給があります。これは、離職中でも生活費を気にせず勉強に集中できるようにするための国の支援です。
条件を満たしていれば、国から毎月10万円と交通費の支給を受けることが可能です。ただし、途中で講義に出なくなった場合は全額返金となりますのでご注意ください。
期間については、職業訓練は無駄に長い印象ですね。ただし、ちゃんと勉強すれば転職できるだけのスキルは身につくはずです。一方の民間の期間は、短めです。それでも、そのまま転職して戦力となれるだけのスキルを身につけることができるので、この辺りは国と民間の効率を意識した差が出ているものと思われます。(民間はビジネスとしてやってますからね。)
最後に大事な卒業後について。職業訓練にしても民間のスクールにしても、目的は転職の成功にあるはずです。職業訓練ではみんな使ったことがあるであろうハローワークを活用する感じですね。
一方で、民間だと運営会社によって異なるのですが、大きくは2パターン。
- 運営会社にそのまま就職するパターン
- 人材紹介支援をしてもらい転職するパターン
これら、5つの項目について詳しく見ていきましょう!
受講料
受講料については、
- 職業訓練校・・・・テキスト代(1万円前後)
- 民間スクール・・・無料
といった具合で、民間スクールだと完全に無料ですね。
ただし、受講料が無料というだけで、その他のお金に関する項目についても考える必要があります。総合的に判断するといいでしょう。
それでも有料のITスクールに比べたら考えられない金額です。一般的には数十万が相場のスクールにおいて、無料で受けられるわけですから凄い時代になりました。
交通費
お金について意識して欲しい項目として交通費があります。職業訓練にしてもスクールにしても通う必要があります。
都市部であれば電車通勤が多いと思いますが、3ヶ月通ったとして電車代はどれくらいかかるでしょうか?
交通費について、
- 職業訓練校・・・・支給
- 民間スクール・・・なし
という、職業訓練校は恵まれすぎている環境にあります。
近ければ意識する必要はありませんが、スクールの場所が遠い方は交通費を意識するといいでしょう。
生活費
お金に関する極め付きは生活費。国は金使いすぎだろうと個人的には思ってしまうのですが、職業訓練に通う人は生活費を得られます。
その額なんと、10万円!!!
- 職業訓練校・・・・10万円
- 民間スクール・・・なし
民間スクールはもちろんありません。ハローワークの延長線上にあるため、こういった国の支援が受けられるわけですね。
ただし条件があるので、当てはまる人に限ってですが。以下が受給対象となる人の条件です。ざっくり解説すると、「この10万円なしには生活できません」っていう人ってことですね。
- ハローワークの指示により、求職者支援訓練または公共職業訓練を受講する方
- 雇用保険被保険者ではない、また雇用保険の求職者給付を受給できない方
- 本人収入が月8万円以下の方
- 世帯全体の収入が月25万円以下(年300万円以下)の方
- 世帯全体の金融資産が300万円以下の方
- 現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない方
- 全ての訓練実施日に出席する方(やむを得ない理由がある場合は、支給申請の対象となる訓練期間の8割以上出席している)
- 訓練期間中~訓練終了後、定期的にハローワークに来所し職業相談を受ける方
- 同世帯の方で同時にこの給付金を受給して訓練を受けている方がいない方
- 既にこの給付金を受給したことがある場合は、前回の受給から6年以上経過している方
厚生労働省 : http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/safety_net/44.html
期間
期間についてもハッキリと違いがあって、職業訓練校は長く、民間スクールは短い、という特徴があります。
- 職業訓練校・・・・3ヶ月~1年
- 民間スクール・・・1ヶ月~3ヶ月
SEやプログラマーは現場主義です。勉強期間はなんのキャリアにもなりません。職業訓練校で1年勉強してた人と、アルバイトでも1年実務していた人とでは基本的にはアルバイトの方が評価されます。
1年もダラダラと勉強するよりは、短期間でスキルを習得して現場で学んだ方がよっぽど身になります。個人的には勉強するだけの期間は最長でも3ヶ月ですかね。
もちろん転職した後もどうせ一生勉強しなきゃいけない世界ですので、「卒業さえすればこの勉強の苦痛から救われる!」なんて考えの人は、そもそもIT業界に向いていません。
卒業後の支援
職業ク連行は分かりやすいですよね。母体がハローワークなので、当然ハローワークからの紹介になります。まあ、お察しの通り、あまりいい求人はありませんね(※完全に個人の主観です。)
過去にもこんな記事書いています → ハローワークだけで転職するなんて情弱すぎませんか?
分かりにくいと思うのが、民間スクールを卒業した後ですね。大きく分けると2パターンあります。個人的には選択肢の幅の広さから「人材紹介サービスで転職」をおすすめします。
運営企業にそのまま就職
民間のITスクールには2パターンあって、1つがIT企業が運営しているスクールです。
こういうタイプのスクールの卒業後は、そのまま運営会社に就職するパターンが一般的です。「99%の内定率!」みたいなことを声高々に言ってますが、結局は自社に引き入れているだけのスクールです。
もともとその会社への入社を狙ってスクールを受講しているなら問題ありませんが、卒業後に会社を選びたいと思っているなら、こういったタイプのスクールを選ぶことはやめた方がいいでしょう。
人材紹介サービスで転職
民間のITスクールには2パターンの2つ目が、人材紹介会社が運営しているITスクールです。最近増えてきましたね。
このタイプは、人材紹介のサポートの一環としてのスクールなので、卒業後の支援としても本業である人材紹介サービスを受けて転職活動するといった流れですね。
メリットとして、豊富な求人の中から転職先を自分の意思で選べるということですね。「転職先はどこでもいい」なんて人はいないと思いますので、選べるタイプのスクールを選ぶべきだとわたしは思います。
まとめ
職業訓練事、民間の無料ITスクールを5つの観点から比較しました。
- お金もらいながらゆっくりと勉強する職業訓練校か、
- 短期間でズバっと勉強して現場で力をつける民間スクールか、
自分の適性にあった方を選ぶといいでしょう。
卒業後の支援に関しては、ハローワークのよく分からないおばさんに相談するか、民間の転職のプロと相談するか、こちらの観点からも考えてみるといいかもしれません。