SEに将来性はある?一生安泰になるためのSE企業の選び方

    2017.06.07

SEは専門職だから生涯にわたって安泰だと思っているあなた!たいへん危険な考え方です。

専門職であることは間違いありませんが、ずっと同じ会社で働き続けられる人はあまり多くありません。それどころか会社によっては歳をとるにつれてお荷物扱いされるところもあります。

将来性については、「ある」とも言えるし「ない」とも言えます。SEという職種の特性、また企業の特性から安定度が変わってきます。

今後SEを目指す上で、転職前からある程度キャリアプランを考えた上で転職先の企業を選ぶべきだと思います。未経験だからとにかくIT企業に入れればいいやという考え方ではなく、SEとしてどういった成長をしていきたいかを踏まえて会社を選ぶべきでしょう。

SEの将来性を考える上で意識しなければならないポイントを分かりやすく解説していきます。転職を考えている方はぜひ参考にしてください。

将来性とは?

SEに将来性はあるだろうかと考えるときにみなさんは何を思い浮かべているでしょうか。

悩むまでもなく、おそらくは同じ会社で一生働き続けられるかどうかでしょう。一般的にSEは35歳定年説が唱えられています。この情報の断面だけを知ってしまった方はおそらく「SEとして働きたいけど将来が不安だなぁ」と思うかもしれません。

SEの35歳定年説は確かにあります。ただし、全員が不要になるわけではなく、不要になる人もいるという話です。

会社選び方を知っていれば問題はありません。全く役に立たたないのに一生面倒を見てくれるIT企業もあるのです。おそらく将来性を意識している方はこういう会社を夢見ているのではないでしょうか?

一生安泰なSE企業の特徴と見極め方を紹介しますので、転職の際の参考にしてください。また、今IT企業ではたらている方は自分がどちら側の企業に属しているか確認すると良いでしょう。

将来性のない会社と人の特徴

では逆説的ではありますが、まずは将来性のないSE会社の特徴について紹介していきます。将来性を考えるタイプの人は、これらの条件は避けた方がいいかもしれません。

IT派遣会社

IT人材の派遣会社はめちゃくちゃ増えています。未経験でも簡単に入れるし、少しでも経験があると結構いい給料が良いので飛び込みがちですが、IT系の派遣社員は長く続けられるものではありません。

35歳定年説が唱えられている背景には、できるだけ安くIT人材を雇いたいという企業側の理由があります。

25歳の少し知識がないけど言われたことには素直なSEと、35際のある程度技術力があるけど自分の考えを曲げないようなSEであれば、前者が選ばれがちです。しかも35歳に比べて25歳は安い給料で雇うことができます。

このような理由からIT派遣系の会社で長く続けられる人はごく僅かになってしまう現状があります。自社でシステム開発を行わずに「お客様の企業で常駐して仕事します」と謳われた求人は怪しんだほうがいいでしょう。

独立系 & 向上心がない

続いては、会社の特徴と人の特徴を組み合わせたパターンです。SE会社には大きく分けると、メーカー系、ユーザー系、独立系の3種類があります。

それぞれを簡単に説明すると以下のとおり。

  • メーカー系・・・車など機会系全般のIT子会社
  • ユーザー系・・・保険や金融系のIT子会社
  • 独立系・・・営業を使いどこからでも仕事を取ってくるIT会社

メーカー系やユーザー系は基本的には親会社からの案件を受けてシステム開発を行うだけなので営業もおらず比較的穏やかな人が多いです。一方で独立系は営業がガンガン仕事を取ってきてガンガンシステム開発をしていくというスタイルでイケイケ系の人が多いです。

見る人からみたら独立系というだけでブラック企業だという人もいますが、体育会系で実力主義的な側面は確かにあります。

将来性を考える上で独立系の何が問題かと言うと、ついていけなくなる人が多いという点。ガツガツオラオラと向上心を持って一生頑張らないといけません。若い内は頑張れたかもしれませんが、年齢を重ねるについて体力も衰え若いころのようなギラギラした気持ちも薄れてくるかもしれません。そうなった時に、ついていけるかどうか。

体調を崩したり、精神的な病気になったり、自分には向いていないかもと思ったり、辞めていく人が多いのも独立系の特徴です。しかしバリバリやればやるほど給料が良くなるのも独立系の特徴なので、一生バリバリやっていけるスタイルの方はむしろ将来性があるとも言えるかもしれません。

管理できない

SEとはプログラミングを組むことが仕事だと思っている方が多いですが、SEという仕事の本質とは異なります。プログラミングを組む人は職種で言えばプログラマーです。SEとは、プログラマー含めシステム開発に関わる全ての人を管理してシステムをスケジュールどおりに作りあげる人のことです。

会社に入りたてのころは、勉強がてらプログラミングの工程に携わることが多いですが、年齢を重ねるにつれて管理していく立場に移っていかなければなりません。

人を管理する能力の有無がSEとして生き残れるかどうかのポイントです。「自分はプログラミングが好きなんだ!」という人もいるでしょう。しかし、プログラミングであればプログラマーに依頼すればいいのです。高いお金を払ってわざわざSEにプログラミングを依頼するメリットは何一つありません。

ですからSEとして生き残るためには人を管理する立場に立つことが必須なのです。もっと大きく言うとシステム全体の管理ですね。スケジュールから人員の配置、予算、利害関係者の調整などなど、様々なスキルが必要になります。

プログラミングがしたいだけならプログラマーになりましょう。

比較的安泰なSE会社の特徴

では逆に将来が比較的安泰なSE会社の特徴を見ていきましょう。とは言っても答えは簡単で、ずばり「大企業」であることです。こう言うと身も蓋もない感じもするので、もう少しハードルを下げて可能性のありそうなSE会社の特徴を紹介します。

母体が安定しているIT子会社

こういう企業もまあまあハードルが高いとは思いますが、未経験の方でもどこかのSE会社経由であればステップアップしていけるランクの企業ではあると思います。

母体とは親会社のことですね。安定している親会社からシステム開発依頼を請け負っているIT専門の子会社です。SEがいいけど安定も欲しいという方にはこれ以上ない条件が揃っています。

おすすめポイントを以下にまとめます。

  • 基本的には年功序列
  • 福利厚生は親会社と同じ
  • 人事制度がしっかりしている
  • 離職率が低い
  • 親会社が潰れない限り潰れない
  • リストラは基本ない

どうですか。凄いでしょ!

IT系の企業でありながら年功序列とかビックリです。どれだけダメな人でもある程度の給料をもらえるポジションにはなります。まぁダメすぎると陰口言われたり仕事与えられなかったりしていわゆる窓際族的な感じになる人もいますが、それでも首にはならないんです。

ITベンチャー企業からしたら考えられないような運営をしているのが「母体が安定しているIT子会社」です。大企業的な運営ですね。

ちなみに、IT系の子会社には「メーカー系」「ユーザー系」があることを紹介しましたが、保険や金融のIT子会社である「ユーザー系」の方が一般的には楽とされています。

社内SEってどうなの?

ついでに社内SEについても解説しておきます。社内SEとは、企業の中にIT部門があるというイメージですね。企業自体が大きくなると、「ユーザー系」や「メーカー系」のように子会社として分離していく流れになります。これは、ITとその他の部署では必要なスキルが違いすぎて簡単に異動ができないため、ITはITだけで1つにしたほうが会社として運営しやすいということみたいです。

ということで、社内SEは「ユーザー系」や「メーカー系」の規模が小さい版みたいなもので、待遇はその企業そのものです。社内SEと言えば「楽」の代名詞みたいな言われ方をしてすが、それは精神的な面が大きいでしょう。

関わる人が同じ会社の人だけなので、企業内での人間関係が円滑であればざっくばらんに会話しながらシステム開発をしていけるはずです。他のSEに比べると関わる人が圧倒的に少ないのが特徴ですね。だから楽なんだと思います。

社内SEの将来性

社内SEの将来性ですが、よくも悪くも自分次第なところがあります。社内にIT部門を作っている企業は何からの目的があるはずです。システム化することで会社全体の利益が上がるような効果を期待しています。

社内のIT部門が利益を上げ続けている内はいいですが、採算が合わないであったり会社としてIT部門に払えるだけの予算がないと判断して部署そのものを廃止する可能性だってあります。

こうなった時に社内SEは居場所がなくなります。他の部署に異動するケースもありますが、それではもはやSEではありませんよね。

社内SEとして働くからには、ITの力で会社を底上げしていくくらいの心意気を持っていてほしいなと思います。楽そうだからという理由で社内SEになりたい人があまりも多い現実がちょっと残念です。

SEたるもの自分のスキルを上げていきたい

ここからは個人的な意見です。

将来性のなさそうなIT企業。将来性のありそうなIT企業の特徴を紹介しました。しかし、結局は自分自身であるとわたしは言いたい!

転職において会社選びは重要です。一生勤められるような企業で働きたいと思うのも分かります。しかしながら「楽」だからという理由でSE職種を選ぶのは間違っています。そういうメンタルだとおそらく続かないでしょう。

SEたるものいつまでも向上心を持って仕事に取り組んでもらいたいなと思います。日々進歩する技術を取り入れつつ、いろんな人と関わりながら仕事を勧めることは大変です。お客様とプログラマーとの板挟みになることもしばしば・・・。壁にぶち当たる頻度もSEという仕事をやっているととても多いはずです。

ですが、その壁を乗り越えながら1つのシステムが完成した時にとてつもない達成感があるのも確かです。おそらく、上へ上へと向上心を持って取り組まないとどこの会社でもツライままです。

ぜひとも向上心を持ち生涯に渡ってSEとして仕事をしてほしいなと思います。

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